競馬において、「掛かり」とは、馬が騎手の制御に従わず、自分のペースで走ろうとしてしまう状態のことです。
まるで糸がピンと張ったように、首を高く上げ、ハミを強く引っ張る姿が特徴です。
興奮状態になり、呼吸が乱れ、必要以上にスタミナを消費してしまいます。
結果として、レース後半でスタミナ切れを起こしたり、本来のスピードが出せなくなったりするのです。
せっかくの実力馬でも、「掛かり」によって本来の力を発揮できず、思わぬ敗戦を喫してしまうことも少なくありません。
騎手にとっては、まさに悪夢のような状態と言えるでしょう。
「掛かり」は、馬の気性や若さ、レースへの慣れなどが原因で起こることがあります。
また、周りの馬に影響されたり、レース展開が遅すぎる場合にも、「掛かり」やすくなることがあります。
まるで、初めての競馬場で興奮している競馬ファンと同じように、馬も興奮して我を忘れてしまうことがあるのです。
「掛かり」は、レース結果を大きく左右する重要な要素です。
そのため、パドックなどで馬の状態をよく観察し、「掛かり」の兆候がないかを確認することが大切です。

「折り合い」が良い馬は強い！スムーズな走りで勝利を掴む！

騎手の指示に従い、リラックスして走っている状態を「折り合い」と言います。
呼吸が整っており、無駄な体力を使わずに走れるため、レースを有利に進めることができます。
理想的な「折り合い」の状態では、馬は無駄な力を使わず、スムーズな走りを見せます。
まるでベテランのジョッキーのように、冷静にレースを運ぶことができるのです。
騎手との呼吸もぴったり合い、まるで人馬一体となって優雅にターフを駆け抜ける姿は、まさに芸術と言えるでしょう。
「折り合い」が良い馬は、スタートからゴールまで安定した走りを見せ、最後の直線でも力強く伸びてきます。
無駄なスタミナ消費がないため、最後までスピードを維持し、競り合いにも強いのが特徴です。
反対に、「折り合い」が悪い、つまり「掛かり」やすい馬は、レース序盤でスタミナを消耗し、終盤で失速してしまうことが多いです。
「折り合い」は、馬の能力を最大限に引き出すための重要な要素です。
パドックで馬の状態を観察する際には、「折り合い」の良さそうな馬を見つけるように心がけましょう。

パドックでチェック！掛かりやすい馬の見分け方

パドックでは、馬の全体的な様子をよく観察することで、「掛かり」やすい馬を見抜くヒントを得ることができます。
いくつか具体的なポイントをご紹介しましょう。

まず、馬の落ち着き具合に注目してみましょう。
落ち着きがなく、頭を高く上げてキョロキョロしたり、イライラした様子を見せていたりする馬は、「掛かり」やすい傾向があります。
逆に、リラックスして歩様もスムーズで、周りの様子に動じない馬は、「折り合い」がつきやすいと言えるでしょう。

次に、馬の口元に注目です。
口を割ってハミを噛み強く引っ張っていたり、もごもごと激しく動かしてる場合は、「掛かり」のサインかもしれません。
これは、馬が緊張や興奮状態にあることを示しています。
穏やかにハミを受け、口を閉じてリラックスしている馬は、レースでも落ち着いて走れる可能性が高いです。

さらに、汗のかき方にも注目してみましょう。
全身からダラダラと汗をかいている馬は、過度に緊張している可能性があります。
適度に汗をかいている程度であれば問題ありませんが、滝のように汗をかいている場合は、「掛かり」に繋がる可能性も考慮に入れておきましょう。

また、歩く際に頭を上下に激しく振る馬にも注意が必要です。
これは、集中力を欠いていたり、イライラしているサインかもしれません。
スムーズに歩を進め、首の動きも安定している馬の方が、「折り合い」が期待できます。

これらのサインはあくまでも参考であり、必ずしも「掛かり」に直結するわけではありません。
しかし、複数のサインが重なっている場合は、「掛かり」やすい馬である可能性が高いため、注意深く観察してみましょう。
パドックでの観察は、馬券を選ぶ上での重要な判断材料となります。
経験を積むことで、より精度の高い見極めができるようになるでしょう。

騎手との相性も重要！折り合いをつけるための秘訣とは？

騎手の騎乗スタイルや馬との相性も「折り合い」に影響を与えます。
騎手の中には、力強い騎乗で馬を鼓舞するタイプもいれば、繊細な手綱捌きで馬のリズムを重視するタイプもいます。
騎手の個性と馬の気性がマッチすれば、馬は力を発揮しやすくなります。

例えば、気性の荒い馬には、ベテラン騎手の巧みな手綱捌きが有効です。
逆に、おとなしい馬には、若手騎手の積極的な騎乗が合っている場合もあります。
馬と騎手の相性は、パドックや返し馬での様子、過去のレース結果などからある程度判断することができます。
なかには気性が荒い馬に特化した騎手もおり、なかなか前に進まない馬を動かすことができる騎手を剛腕と呼ぶこともあります。

同じ馬でも、騎手が変わることで「折り合い」が劇的に改善されるケースもあります。
逆に、相性が悪いと、普段は落ち着いている馬でも「掛かり」やすくなってしまうこともあるのです。
まるで、人間関係と同じように、馬と騎手にも相性があることを覚えておきましょう。

騎手と馬のコンビネーションは、競馬予想において重要な要素の一つです。
騎手の騎乗スタイルや過去の成績、馬との相性などを考慮することで、より精度の高い予想を立てることができるでしょう。
積極的に情報を集め、自分なりに分析してみるのも競馬の楽しみの一つです。
ぜひ、騎手にも注目して競馬観戦を楽しんでみてください。

武井カイル