東京競馬場の芝コースは、その広大な敷地を活かしたレイアウトが特徴です。
起伏に富んだコースは、戦略性が高く、馬の能力はもちろん、騎手の腕も試されます。
これから、東京競馬場の芝コースの特徴を、勾配、直線の長さ、向き、馬場傾向といった様々な角度から詳しく解説していきます。

まず、東京競馬場の芝コースは、全体として平坦な位置からスタートします。中距離以上は平坦から緩やかな下り坂に入ります。向こう正面から上り坂になり、第3コーナー終わりにかけて下り坂になるという独特の形状をしています。
この上り坂は「坂路調教」で鍛えられたスタミナ豊富な馬が有利となる一方で、瞬発力勝負を得意とする馬にとっては苦しいポイントとなります。
具体的には、ゴール板から200m地点に高低差約2mの上り坂があり、最後の直線勝負に大きく影響します。
瞬発力を持ち味にする馬にとって、この坂は最後の砦となります。

次に、直線の長さは日本最長クラスの525.9mを誇ります。
この長い直線は、最後の最後まで激しいデッドヒートが繰り広げられる舞台となり、観る者を興奮の渦に巻き込みます。
先行馬が粘り込みを図るのか、差し馬が豪快な末脚で追い込んでくるのか、最後まで目が離せません。

そして、東京競馬場の芝コースは、全体的に幅広く、かつ、平坦な部分が多いという特徴も持っています。
そのため、各馬が比較的自由に位置取りを決めやすく、多様なレース展開が期待できます。一部の距離を除く、内枠、外枠の有利不利はあまりなく、フェアな競馬が楽しめるのも魅力の一つです。枠による有利不利は別の章で解説します。

最後に馬場傾向ですが、東京競馬場の芝コースは、水はけが良く、良馬場での開催が多い傾向にあります。
しかし、雨が降った場合は、内側の馬場が荒れやすくなるため、内枠の馬は不利になる可能性があります。
また、開催時期によっても馬場状態は変化するため、事前に馬場状態の情報を確認しておくことが重要です。

武井カイル