AIや生成AI、HPC(高性能コンピューティング)の利用が広がるなか、データセンターではサーバーの高性能化・高密度化が進んでいます。その一方で、大きな課題となっているのが「発熱」と「冷却に必要な電力」です。
そこで近年注目されているのが、サーバーを特殊な液体に浸して冷却する「液浸冷却」です。

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液浸冷却とは?
液浸冷却は、サーバーなどのIT機器を電気を通しにくい誘電性液体に浸し、機器から発生する熱を直接液体へ移す冷却方式です。
従来の空冷方式と比較して、熱を効率的に処理できるほか、高密度なサーバー環境への対応や消費電力の削減につながる可能性があります。
特にAI向けGPUなど、高い処理能力を必要とする機器がデータセンターに増えることで、効率的な熱管理の重要性はさらに高まっています。
なぜ液浸冷却市場が拡大しているのか
大きな背景の一つがデータセンターの電力消費です。
データセンターではサーバーを稼働させるための電力だけでなく、設備を適切な温度に保つための冷却にも電力が必要になります。
AI、機械学習、HPCなどの計算負荷が高まるにつれて、データセンターの設備もより高密度になっており、従来型の冷却方式だけでは対応が難しいケースも考えられます。
そのため、省エネルギーと高効率な熱管理を両立できる技術として、液浸冷却への関心が高まっています。
液浸冷却市場の市場規模
SDKI Analyticsの市場調査によると、液浸冷却市場は2025年に6億3,640万米ドルと推定されています。
今後もAI・HPC向けデータセンターの拡大や、高性能コンピューティングへの需要を背景に市場は成長すると見込まれています。
2026~2035年の予測期間におけるCAGRは14.1%で、2035年には市場規模が23億7,860万米ドルに達すると予測されています。
日本でも広がるデータセンターの熱対策
日本でもAIやデータセンター関連設備への投資が進むなか、効率的な熱管理への関心が高まっています。
高性能なサーバーを安定して稼働させるためには、単純に計算能力を高めるだけでなく、発生する熱をどのように処理するかも重要です。
液浸冷却は、こうした課題に対応する技術の一つとして、データセンター事業者やITインフラ関連企業から注目されています。
一方で、特殊な冷却液やタンク設備などが必要となるため、導入時の初期コストや設備設計の変更が課題となる場合もあります。
液浸冷却市場の今後
今後、AIを利用したサービスや生成AI、高性能コンピューティングの普及が進めば、データセンターに求められる計算能力もさらに高まると考えられます。
その結果、サーバーの高密度化と熱管理の重要性が増し、液浸冷却を含む次世代冷却技術の需要にも影響を与える可能性があります。
特に、データセンターの省エネルギー化、運用効率の向上、AIインフラの拡大という3つのテーマは、今後の液浸冷却市場を考えるうえで重要なポイントになりそうです。
より詳しい市場規模、成長率、地域別分析、タイプ別・冷却液別・用途別などの市場セグメントについては、SDKI Analyticsの「液浸冷却市場」調査レポートで確認できます。
参考:SDKI Analytics「液浸冷却市場」
https://www.sdki.jp/reports/immersion-cooling-market/83683